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仲蔵狂乱[なかぞうきょうらん]

初代中村仲蔵[なかむらなかぞう]が初演した事から、この演目は、『仲蔵狂乱』と呼ばれるようになりました。もとは、 江戸の顔見世狂言の中で、一番の中心となる五番目の曲でした。

子を思う父親の狂乱の演目であり、実はこの狂乱は偽狂乱で、娘を守らんが為のものであったというところが、この曲のテーマであり、 見どころである、と言えます。

【あらすじ】

伴健岑[ばんのこわみね]らと謀反を企てる文屋秋津[ふんやあきつ]は、小野良実[おののよしざね]の館に乗り込みます。

ここで文屋秋津は、小野良実が大伴黒主の謀反に加担しているのではないか、と詰問し、身の潔白を証するためには、 娘の小町姫を差し出せと迫ります。

娘小町姫を逃すため、小野良実は狂乱を装い踊ります。

最後には、小野良実が正気に戻って、文屋秋津の謀反を見顕すことになります。

 

【見どころ】

病鉢巻に長袴、さらに扇と冠・狩衣を持って登場する小野良実が、幼少の小町に見立てた踊りを見せた後、 実は偽である狂乱の所作を見せながら、娘を思うあまりに二枚扇を持って踊るところは、ひとつの見どころといえます。

子を思う父親の(偽)狂乱は、恋人を思う男女の狂乱とは、ひと味違うところを感じられる見どころ、といえます。

その後、クドキや唄を経て、チラシとなり、幕切れとなります。

 

【基礎データ】

■天明四年(1784)江戸は桐座[きりざ]初演

■作詞:初代瀬川如皐[せがわじょこう]

■作曲:初代杵屋正次郎[きねやしょうじろう]

■本名題:『狂乱雲井袖』[きょうらんくもいのそで]

■『重重人重小町桜』[じゅうにひとえこまちざくら]という顔見世狂言の劇中の一節

■初代中村仲蔵が初演したので、『仲蔵狂乱』と俗称されるようになった

■上演時間:およそ19分

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