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俄獅子[にわかじし]
吉原には、八月一日から晴天三十日間、芸者・幇間[ほうかん]が、仮装をして凝った踊りの新曲を見せた年中行事がありました。 それを吉原俄[よしわらにわか]と呼びました。吉原俄は、別に、踊俄とか俄踊りとも呼びました。
この俄獅子は、この年中行事の催しと獅子舞を組み合わせて舞踊化したものです。
この年中行事吉原俄に廓情緒、獅子の狂いを組み合わせたところは、粋と洒落っ気を好んだ江戸っ子気質をよく表している、 と言われています。
吉原仲の町の雰囲気・獅子舞・手古舞の踊りなどを見せる『俄獅子』は、普通芸者姿で踊りますが、素踊りとして踊る場合も多くあります。
江戸っ子気質である粋と洒落っ気に、吉原の廓情緒として『吉原俄』の雰囲気を、演者がいかに表現できるか、というところが、 この演目の見どころとなります。
また、作曲者である杵屋六三郎は、この吉原情緒を表現するために、馴染みの花魁[おいらん]に入りびたって作曲した、 といわれています。
見どころをつくりだすのは、演者だけではなかったということなのかもしれません。これも江戸っ子気質を理解するためには、 覚えておいた方がよいエピソードなのかもしれませんね。
【基礎データ】
■天保五年(1834)十月に開曲、初演。のちに舞踊化されたもの
■作詞:不詳、長唄『相生獅子』の歌詞をもじって構成された
■作曲:四代目杵屋六三郎[きねやろくさぶろう]
■本名題:同じ『俄獅子』
■上演時間:およそ18分
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長唄[ながうた] ]