サイト最新エントリー
身替座禅[みがわりざぜん]
能『花子』[はなご]を移した松羽目物のひとつです。
初演以降、七代目坂東三津五郎と六代目尾上菊五郎のコンビが好評で再演を繰り返し、尾上菊五郎家の新古演劇十種に加えられた、 という演目です。
内容は、男の浮気を、女房にしっかりと押さえられてしまう、という男性には怖いお話となっています。
【あらすじ】
京の近郊に住む大名:山蔭右京は、美濃への旅の際、野上の宿で花子という女性と契りを交わしました。
花子は都北白河から「会いたい」と手紙を送ってきます。
右京は座禅をする、といって、家来の太郎冠者を身替りとして、花子に会いに行ってしまいます。
しかし、その作戦は奥方玉の井にすっかり見破られ、右京の帰宅時には、奥方玉の井が太郎冠者の替わりに座禅を組んでいました。
そうとは知らない右京は、座禅を組んでいる奥方玉の井に、すべてをしゃべってしまうのでした。
激怒した奥方玉の井は、手を合わせて謝りながら逃げる右京に掴みかかり、追回し・・・幕切れとなります。
【見どころ】
自分の浮気の様子を、太郎冠者(実は奥方)に語って聞かせるくだりなどは、観客側には奥方に語ってしまっていることが分かるので、 スリル満点なところです。
さらに、浮気の様子を描写するのに、奥方の醜女[しこめ]ぶりを交えて語ってしまったりするので、観ている方には、 とても面白い場面ですね。
【基礎データ】
■明治四十三年(1910)三月、東京市村座初演
■作詞:岡村柿紅[おかむらしこう]
■作曲:長唄:五代目杵屋巳太郎[きねやみたろう]、常磐津:七代目岸澤式佐[きしざわしきさ]
■狂言『花子』[はなご]を歌舞伎舞踊化したもの
■六代目尾上菊五郎がはじめて挑戦した松羽目物、といわれる
■尾上菊五郎家の新古演劇十種のひとつ
■上演時間:およそ35分
スポンサードリンク