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棒しばり[ぼうしばり]
能狂言をもとにつくられた舞踊であり、松羽目物のひとつといえる演目です。
松羽目物ですから、舞台装置は、正面には鏡板があり、その前には長唄囃子連中が並ぶというかたちになります。
曲中、棒に両手を縛られたまま踊る場面があり、舞踊の名手といわれた、初演の六代目尾上菊五郎や七代目坂東三津五郎に、 手を使わずに踊らせるという趣向のためにつくられた舞踊、ともいわれています。
前半は、所要で外出しなければならない大名曽根松兵衛が登場し、留守中に酒を盗み飲むふたり、太郎冠者を後ろ手に縛り、 次郎冠者を棒と手を縛りつけてしまいます。
後半、縛られたとなると、余計に酒が飲みたくなるということで、酒蔵に忍び込み、縛られたままで、協力して交互に、酒を飲み始めます。
最後は、酒宴となって盛り上がりながら踊るふたりのところへ、大名が帰ってきて、ふたりを追い込むかたちで幕切れ、となります。
冠者たちの無邪気ないたずらと楽しい踊りが、観る者を楽しませてくれる演目です。
【基礎データ】
■大正五年(1916)正月、東京市村座初演
■初演は、六代目尾上菊五郎
■作詞:岡村柿紅[おかむらしこう]
■作曲:五代目杵屋巳太郎[きねやみたろう]
■狂言『棒縛』[ぼうしばり]を舞踊化したもの
■元になった狂言の台本は、大蔵流のもの
■上演時間:およそ40分
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