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船弁慶[ふなべんけい]
この『船弁慶』では、静御前と平知盛[たいらのとももり]の霊の役を、ひとりで演じて踊ることになります。
義経との別れを惜しむ静御前の哀切さ、知盛の凄絶さという、ともに義経に対する愛憎ふたつの感情を、 ひとりの演者が踊り分けることになるわけです。
もちろん、最もこれがこの『橋弁慶』の難しい点ではありますが、もっとも見どころとされる点でもあるのです。
【あらすじ】
源義経の後を追って、大物浦までやってきた静御前だが、弁慶に諫められて、今様『都名所』という舞を舞った後、 名残を残しながら分かれることになります。
船出した義経一行は、海の上で平家の亡霊たちに出くわし、平知盛の霊が襲い掛かってきます。これを弁慶が祈り伏せ、 霊は海に姿を消していくのです。
【基礎データ】
■明治十八年(1885)十一月、東京新富座初演
■能『船弁慶』[ふなべんけい]を河竹黙阿弥[かわたけもくあみ]が歌舞伎舞踊化したもの
■作詞:河竹黙阿弥[かわたけもくあみ]
■作曲:三代目杵屋正次郎[きねやしょうじろう]
■新歌舞伎十八番のひとつ
■初演時の配役は、静御前・知盛の亡霊:九代目市川団十郎、弁慶:初代市川左団次、義経:市川海老蔵、船長: 中村芝翫となっていました。
■上演時間:およそ35分
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