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吉原雀[よしわらむすめ]

夏の葦原に群生する「よしきり」という鳥は、その鳴き声の特徴から『葭原雀』[よしはらすずめ]などと呼ばれましたが、 [よしはらすずめ]の音から、転じて「遊郭吉原の冷やかし客」もさして言うようになりました。

この演目には、本名題:『教草吉原雀』[おしえぐさよしわらすずめ]にあるとおり、吉原雀の典型的な姿を踊って見せましょう、 という意味がこめられています。(教草=お手本という意味)

この演目の長唄が初演された時は、鳥売りの男は、実は八幡太郎義家であり、鳥売りの女は安倍宗任[あべのむねとう]の妻でありながら、 実は鷹の精である、という設定となっていました。

現代ではこの設定による演出は残っておらず、吉原は仲の町、桜のもとで、男女の鳥売りが踊る、というだけの設定になっています。

また、長唄の方が先にできたことから、清元の方を、『新吉原雀』と呼ぶこともあります。

 

【基礎データ・長唄】

■明和五年(1768)江戸中村座初演

■九代目羽左衛門と吾妻藤蔵とで初演

■作詞:初代桜田治助[さくらだじすけ]

■作曲:富士田吉次[ふじたきちじ]・初代杵屋作十郎[きねやさくじゅうろう]

■本名題:『教草吉原雀』[おしえぐさよしわらすずめ]

■『男山弓勢競』[おとこやまゆんぜいくらべ]の大所作切事

■上演時間:およそ23分

 

【基礎データ・清元】

■文化七年(1810)江戸市村座初演

■七代目團十郎と岩井紫若とが初演

■作詞:三枡屋二三治[みますやにそうじ]

■作曲:初代清元斎兵衛[きよもとさいべえ]

■本名題:『筐花手向橘』[かたみのはなむかしのそでのか]

■別称:『新吉原雀』[しんよしわらすずめ]

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