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時雨西行[しぐれさいぎょう]

西行法師と遊女の、時雨の雨宿りの間の出来事を舞踊化しています。

題材は能の『江口』によっていますので、品格の漂う曲となっています。

「行方定めぬ雲水の」の謡がかりではじまるこの演目は、笠を手にした西行法師の登場でまじまります。

西行法師はもともと北面の武士で、名を佐藤義清といっていましたが、若くして出家し、歌僧として有名な存在でした。

そんな西行法師が江口の里(淀川の下流)で雨に逢い、一夜の宿を求めました。その家の主人である遊女が語る、 愛欲に溺れる人生の空しさを聞いているうち、

「実に実にこれは凡人ならじと、目を閉じて」

と目を閉じて、心を鎮めると、そこには普賢菩薩の姿が現れます。ふたたび目を開ければ、そこには遊女がいるのです。

「人は心を留めざれば、つらき浮き世も色もなく」

と、西行法師は、遊女を通じて人間哲学を会得する、という意味が隠されています。

幕切れには、西行法師がひとりで、再び旅立つ姿をみせて終わります。

■元治元年(1864)九月、素の長唄として作られた

■作詞:河竹黙阿弥[かわたけもくあみ]

■作曲:二代目杵屋勝三郎[きねやかつさぶろう]

■上演時間:およそ25分

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