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高尾さんげ[たかおさんげ]
近年、六代目尾上菊五郎[おのうえきくごろう]がこの高尾さんげを取り上げて以降、陽の目をみるようになった一曲です。
富本・清元・荻江にも、曲が残ってはいますが、これは、長唄の曲です。
傾城高尾の魂が現世に浮かび上がって、在りし日の四季の折々を、物語として描き出す、という趣の一曲です。
亡霊の淋しさを見せながら、過ぎ去った在りし日の憂さをも見せるもので、華やかで楽しげに見える遊里の暮らしの中にある【無常】 を表現していきます。
三下がりの前弾きに続いて、「高尾が姿あらわれて」とセリ上がりで、しっとりとした風情を見せます。その後、廓の四季を演じて見せ、 煩悩の果てに地獄に落ちて、責め苦を味わうセメで終わるのです。
その姿は、まるで高尾の亡霊が、自分の人生を懺悔するかのような趣を感じさせてくれるのです。
【基礎データ】
■寛保四年(1744)正月、江戸市村座で上演の『七種若曽我』[ななくさわかやぎそが]の三番目所作事『高尾さんげの段』の長唄。
■作詞:藤本斗文[ふじもととぶん]
■作曲:杵屋新右衛門[きねやしんえもん]
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