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櫓のお七[やぐらのおしち]

安永二年(1773)に初演の、北堀江人形浄瑠璃『伊達娘恋緋鹿子』[だてむすめこいのひがのこ]の一部が独立してできた演目。

雪の夜にはじまる物語が、途中人形振りを経て、クライマックスの櫓で太鼓を打ち鳴らす場面まで、劇的な展開を楽しめる一曲です。

 

雪の夜、閉じられてしまった町木戸の中、刻限が来たら、宝剣紛失により切腹という恋人:吉三郎を救いたいお七。

「降りしきる」との詞章で人形振りとなり、その極限状況の心情を表現していく。

人形振りの中、

・「よしなき人に」と手紙を持っての振り

・「とがむる人も」と肌脱ぎ

を見せ、髪がさばけながらも櫓に登ろうとして落ちてしまう。

ここで、人間に戻り、あらためて櫓に登って、太鼓を撥で打つ。

 

途中人形振りによる表現が、かえって観る人に劇的なドラマを感じさせてくれる一曲です。

【基礎データ】

■もとは、人形浄瑠璃の一部が独立。

■歌舞伎としては、安政三年(1856)江戸市村座上演の『松竹梅雪曙』中、

 火の見櫓の場が、現行の台本となっている。

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