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藤娘[ふじむすめ]

日本舞踊の演目として、あまりに有名な一曲。とくにアマチュア日本舞踊家の中では、憧れの対象にもなっている曲、 と言ってもいいのではないでしょうか。

その衣装の美しさ・舞台装置の華やかさ、憧れを得るに十分な一曲です。

もとは、元禄時代の土産品であった大津絵から抜け出した若い娘が、男への恋心を表現する曲ですが、明確なストーリーがあるようで、 じつはあまりはっきりしていないところがあります。その表現し難い部分が、じつはこの【藤娘】 を魅力的な舞踊曲にしていると言ってもいいのかもしれません。

「一見純情そうに見えても、実はとても色っぽい娘の踊り」という微妙な色合いは、表現する舞踊家に、 おおきな自由度を与えているようにも思えます。

近江八景を読み込んだ歌詞でクドキ、藤音頭での色っぽい酔態、後半は手踊り、など変化に富んだ構成になっていて、 藤でいっぱいになった華やかな舞台に負けない楽しさを持っています。

最後のシーンでは、夕日にたたずむ娘の、可愛らしさと切なさを表現して、観る者にその美しい舞台を印象付けて終わるので、 観終わった後の心地よさというのも、この曲が支持される要因になっているのだと思います。

■初演:文政九年(1826)九月、江戸中村座での『傾城反魂香』のなかの大切所作事、さらにその中の五変化のひとつ。

■作詞:勝井源八、作曲:四代目杵屋六三郎

■上演時間:約22分

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